星想い



父親の容姿は、よく覚えていない。



覚えているのは…幼い頃、

私はきっと父親の影響で

空想を好きになって。



父親の堕落と死がキッカケで、

空想が嫌いになったということ。



「父親の話は、

あんまり、覚えてないんだけどね」



陽は完全に沈んで、

辺りには夕闇が気配を忍ばせている。



ポツリ、ポツリと

星が浮かび上がってきた。



辺りに灯りはなくて、鮮明に、

繊細に輝く星を見て取れる。



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