星想い



カイが足を伸ばして地面に

手をついていたから、私も真似をする。



夜空を見るには、最適の体勢。



「…私は、小さい時、本当は父親の

差し響きで…空想が、好きだったんだ。

口癖は『星を捕まえる』。


父親も、笑って私に

同調してくれてたと、思う」



夕方と夜との間の時間。



まだ、遠い西の空はぼんやりと

紅がかすんでいた。



時間をかけて思い起こす。



私に千咲希という名前をつけてくれた、

大嫌いな父親との思い出。



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