星想い



今、私は自分の心がわからない。



父親が嫌いなのか、

空想を嫌悪していないのか…

カイに対しての想いも。



「それで、お母さんが必死に働いて

お金を稼ぐ、みたいな生活が続いて。

…8歳の時、父親が事故で亡くなった」



思い出せるのは、

葬儀場で私が花束を手に棺桶の前で

立っている記憶だけ。



どれだけ追憶しても、

思い返せない、父親の顔。



完全に夕陽が沈み、紺が満ちた空には…

たくさんの星々が、

浮かび上がっていた。



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