星想い
「…カイは、空想って、なんだと思う?
人を、ダメにさせるもの、なのかな…」
煌々と素朴に、清新に輝く星空は、
当たり前に沈黙を続けた。
カイがようやく、口を開く。
「…多分な。
俺、千咲希の父親の気持ち、
わかるような気がするよ。
俺も…だったから」
「え?なんて…」
話の終盤を聞き取れなくて、
訊き返したけど、
カイは淡々と話を進めた。
「クビになって、千咲希からも
責められて。孤独だな、とか感じて、
酒に逃げたりさ」
私は言葉を挟まず、
カイの声を聞いていた。