星想い



「千咲希の言う通り、父親は

現実逃避したかったんじゃねえの。

自分が情けなくて。



空想にも逃げたんじゃないかと、思う。

自分を、守るために」



…カイの言葉に、少し驚いた。



カイも、現実逃避のためのものだって

思っているらしいことに

ショックを覚えた。



だって、カイも…空想しているのに。



だけど、

それは私の早とちりだった。



「でも俺は…

空想は人をダメにするものだけど、人を

前向きにしてくれるものでもあると、

思うんだよ」



星が、揺らめいていた。



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