星想い



「…カイの、過去?」



「そ。千咲希が聞きたくないなら

別に聞かなくていいよ。

俺、1人で喋っとくわ」



「…わかった」



カイを見るのをやめて、

星空に視線を変えた。



泣きそうなくらいに美しい星の数々が、

煌びやかに、耀っていた。



「父親が日本人で、母親がアメリカ人。

青い瞳は、母親の遺伝でさ。

2人とも優しくて、

寂しいとか思ったことなかったな」



…よるのけしき。



ひとつひとつの小さな灯りの下には、

たくさんの人が生きている。



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