星想い



冬の大三角形が、夜空を彩る。



屋上に冷たい風が流れ込んできて、

私のほおをツゥと撫でた。



「泣きながら、どうして

教えてくれなかったの、って言われて。

やっと孤独から抜けたよ。14歳ん時」



私が聞いているのは、カイの独り言。



手の中が温かいな、と思ったら、

色とりどりの金平糖が詰まった小瓶を

持っているからだと気付いた。



カラリと音を立てた、青い金平糖。



まるで、カイの瞳みたい。



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