星想い
それからずっと、無言が続いた。
決して居心地が悪い訳じゃなくて、
心が安らぐような時間で。
オレンジ色の金平糖を1つ取り出して、
口の中に放り込んで舐めた。
カイに手渡すと、カイは空に
金平糖を投げて、
パクリと口でキャッチしていた。
…静かな時間。
星空と町の夜景を眺めているだけの
時間は、どんな時よりも落ち着いた。
何分経っただろう。
カイに話しかける。
「…カイ」
「ん?」
「…今日だけでいいから、
ずっと一緒に、居てくれないかな」
「…良いよ」
制服が汚れるのもいとわず、寝転んだ。