星想い



「…居ない、か…」



淡い期待をやぶられ、はぁー、と

深く吐息を漏らした。



1年後だし、もしかしたらいるかも、

なんて思ったんだけどなぁ…。



屋上に足を踏み入れて、

街中を、空から見渡した。



…まるで変化のない景色。



たった1年しか経っていないのに、

久しぶりで、何もかもが新鮮だった。



奥に歩を進めると、地面に座り込む。



…冷たいコンクリートの感触も、

身に覚えがある。



ここから、カイと並んで星空を見たな。



とても、綺麗だった。



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