星想い



私が8歳の時、父親が死んだ。



理由はとても、

とても、つまらない。



そして、とても、くだらない。



『オレは土星に着陸する!』なんて

バカな夢をほざいてばかりの

口先だけだった父親。



土星は気体の惑星だし。



何度 父親に嫌悪を感じたか、

そんなの数え切れない。



お母さんを働かせてばかりで、

自分は絵空事を描いては、

幼い私に同意を求めていた。



昔も、今も、これからも、

一生、父親のことを良いように

理解しようとは思わない。



そんな父親は、

たちの悪い酒飲みでもあった。



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