星想い



嫌なら訊く前に食べたら良かったのに。



小瓶のフタを開けて、

黄色の金平糖を手の上に乗せて、

ふと考えた。



これを食べ終わったら、

家に帰ろう。



ゆっくりと、食べた。



ふわりと口の中に広がる、

甘美な味わい。



優しくて、上品な言葉じゃ

表しにくいけど、とてもおいしい。



そんな味がした。



空はいよいよ群青が濃くなって、

星斗がまたたき始めている。



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