星想い



…秋の日は、つるべ落とし。



さっきまで青かったのに、

あっという間に太陽は西に沈んで、

空の10分の3を占める雲を

茜に染めている。



…行こうか。



足を休めたあと、また、

階段を登り始める。



通学カバンが憎らしくなるけど、

そんなものに当たっても無意味。



とにかく、登った。



そして、鉄の格子にはめられた扉が

見えてくる。



…と、同時に、上から声が。



「あっ、千咲希、久しぶり!

今日も来ないかと思って

帰ろうとしてた!」



…見つかった。



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