星想い



うわ、やっちゃった。



今、私は、

苦虫を噛み潰したような顔を

していると思う。



できれば会いたくなかったのに…。



カイは自分のものらしい通学カバンを

地面に置くと、駆け下りてきた。



カンカンと、非常階段を

かき鳴らす音が騒がしい。



「なんかいきなり来なくなったから、

てっきり、テストでもあんのかな?

って思ってたんだよ。

なにかあったのか?」



…会いたくなかった、というのは

いくらなんでも酷いし…。



逃げるのを諦めて、口を開いた。



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