星想い






そこには、

真っ赤に街を照らして沈んで行く、

夕陽があった。






あれ、さっきはまだ上にあったのに。



…陽が落ちるのはあっという間だ。



そんなことを思いながら

夕陽を眺めていると、

ふと心に湧いた疑問が口をつく。



「…カイって、何歳?

というか、何年なの?」



ん?と、隣りで同じように

夕陽を見ていたカイが、

こっちを向いた。



「俺?あれ、言ってなかったっけ」



「言ってもらってないし、

私も言ってない」



「あー、マジで?俺も年だな」



冗談混じりにカイは苦笑して、

私の質問に答えた。



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