星想い



「あの、ごめ…」



「まー、結構キレイだろ?

この瞳、自分でいうのもなんだけど

気に入ってるんだ」



突然の明るい声に後ろを向くと、

そこにはいつも通り底抜けなく笑う

カイがいる。



…思い過ごし?



カイはついさっきのことを

忘れたような素振りで、

街の一角を示した。



「あそこ、今、明かりが灯ったぜ。

誰が住んでんだろうな――」



…なんだったんだろう。



やがて階段をおりきって、

マンションの外に出る。



「じゃあなー」



カイとは逆方向の、道へ。



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