星想いのレビュー一覧
平均評価星数
5.0
2015/02/06 22:11
投稿者:
かな
さん
息をはいて、生きていく
死んだ父親も、片親の家庭も、低脳な同級生も、空想も大きらい。そんな主人公がふと立ち寄った屋上で出会ったのは、きれいで不思議な男の子でーー。 人と触れ合うあたたかさと、現実の苦しさに胸をしぼられつつ読みました。 現実が辛かったら、空想に逃げて。ふいに現実に戻ったとき、より苦しくなって。また空想に入り込む。そんな負のループを繰り返しながら、わたしたちは生きていくのだと思います。 空想なんて馬鹿みたいと他人を卑下することで自分を守ったり、関心がないふりを続けて孤独を避けたり。生きるって、そういうことが必要で。 けれど、このお話を読み終えて、前向きな空想もあるんだと気付かされました。休憩したっていいんだ、と背中を優しくたたかれたようで、ほっと息を吐くことができました。 たまには星空を見上げて、空想を広げて。それでいいんだよって、自分にも、大切な誰かにも伝えたい。
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