目を開けると君がいた


私が杏咲ちゃんが選んでくれる服をどれも無理って言ってたら

杏咲ちゃん、黙っちゃった。


「杏咲ちゃん?」


「野亜が思ってるよりずっと、野亜は可愛いよ?

可愛い服だって、ほとんど全部似合うよ

本当に似合わない、ブスに失礼!」


杏咲ちゃんが怒った。

言葉は早口で、言い方は乱暴で

悲しそうな顔をしていた。


「ごめん……」


「じゃあ、悪かったと思うなら……

これ着て」


そう言って杏咲ちゃんが私に

さっきのピンクのワンピースを渡した。

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