目を開けると君がいた



「……着るだけ。買わないよ」

私の返事を聞いて杏咲ちゃんが笑顔で

「うん!」

って言った。



試着室でワンピースを恐る恐る着てみた。


……可愛い。

だけど、洋服に着られてるって感じ。

やっぱり似合わないって。



「野亜ー?着た?」


「…うん」


「開けるよ」



杏咲ちゃんがカーテンを開けて私を見ると何も言わなかった。


やっぱり…似合わないんだ……。


「すぐ着替える。」

私がカーテンを閉めようとしたら。

杏咲ちゃんが私の手をつかんだ。

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