目を開けると君がいた



「九条くん、元気になったら

一緒にデート…しようね」


「うん…」


"約束"はしなかった。


そう、約束じゃないよ、これは。


ただの、これからの…

病気が直った後の

"夢"の話だから。


叶うことのない……


夢。



「そういえば…華園、なんでパジャマ?」


「えっ、あぁ……病院に…

お泊りに来ただけ!

すぐ、帰るからさ!心配しないで!」


「おう」


1つ嘘をつくと、

また嘘をついてしまう。


笑顔でいる為には

嘘をつくしかないんだから…。


仕方ない…よね?


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