目を開けると君がいた


あの後、翔君が家まで送ってくれた。

その時、翔君は何も喋らなかった。


「ただいま」


「お嬢様、おかえりなさいませ」


「お父さんは?」


「今日は遅くなるそうです」


「へぇ、久しぶりに娘が帰ってくるってなっても仕事ね……」



まぁ、別にいいけどさ……。


まだ、震えがおさまらなかった。

今日1日、怖かった。

看護師さんが教えてくれた事は全部、
楽しい思い出だったのは



みんな嫌な事は忘れて

楽しい事しか覚えてないもん。


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