目を開けると君がいた


「あ、翔君まだいたんだ

私、キーパー忘れちゃって」


私がキーパーを撮ろうと翔君の横を通って

持とうとした時


ギュッ。


「へ?翔…君?」


いきなり後ろから翔君が私を抱きしめた


「……野亜の好きな人ってバスケ部の誰か?」


「……な、なんで?」


それより…翔君、はなして………。

みんなに…見られてる……。


「もしかして、九条か?」


え?なんで?


私は"九条"って言葉を聞いた時すこしビクッとして

驚いた顔をしていたのかもしれない。


「…やっぱり」


そう言うと翔君は離れて


「ごめん」


とだけ言って帰ってしまった。

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