雨の降る夜に

日常

都内の高校。

真夏の太陽の下、生徒たちはぞろぞろと体育館に集まって整列していく。

2年Β組の列の中に健二たち3人の姿もあった。

3人は笑い顔でじゃれ合っている。

「おーい、静かにしなさーい。」

ステージの上から教頭が弱々しく呼び掛けるが、静かになるはずもない。

相変わらず生徒たちは騒々しい。

「うっせーぞ、ハゲ!」

「出しゃばんじゃねー!」
そんな罵声が教頭に浴びせられる。

すると一人の先生が困っている教頭からマイクを強引に奪い取り、胸いっぱいに空気を吸い込むと、

「うぉら〜、てめえらぁ〜!!ちっとは黙んねえかぁ〜!!」

怒声が体育館中に響き渡る。体育館の照明が声の振動でビリビリ鳴っている。

生徒たちは一斉に動きを止めた。もちろん健二たちも。

「し、ショーグンだ・・。」
洋平がぼそりと呟いた。

将軍とは今怒声を放った教師のことで、学校一恐ろしいことで有名である。

顔もプロレスをやっているのではないかと疑うほどいかつい。
背も185と非常に高い。
体付きもがっしりしていて、服は筋肉ではち切れそうになっている。
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