雨の降る夜に
「よし、やればできるじゃねえか。」

そう言うと、将軍はマイクを教頭に返し、後ろに下がった。

「え〜、それでは終業式を始めます。」

ようやく終業式が始まったのだった。



教室に戻った健二は自分の席に着いた。

ふー、と一つため息をつき、窓の外を見やった。

あの事件から丁度一週間。健二は普通に毎日を過ごしていた。


−−−−−−−−−−−−−−−

あの日もとりあえず重い足取りで家に帰った。

ただいまと言って居間に入ってみると、そこには武弘と洋平の姿があった。

心配して家で待っていてくれたらしい。

武弘たちは黙って健二の言葉を待っている。

健二はすぐに言葉を発した。

「ごめんごめん、武弘の言った通り、怖くなって逃げちった。悪かったな、家まで来てもらっちゃって。」
ついつい早口になってしまう。演技なんて得意じゃないからな。

「でもおまえ、助けてって・・・・。」

「ああ、あれね。あまりに怖かったからさ。ほんと恥ずかし〜。」

武弘に喋る間も与えず、
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