雨の降る夜に
「とりあえずもう帰りなよ。ほら、1時回ってるし。ねっ、ほらほら。」

と言いながら、武弘と洋平の背中を押して玄関まで向かわせた。

そのまま扉を開いて、突き飛ばすようにして二人を家から追い出した。

扉を閉めると鍵を掛ける。
ガチャリという音が、なぜか健二をホッとさせた。

嘘をつくのは好きじゃない。ましてや親友になんて。
でも迷惑はかけたくなかった。このまま隠し通そうと思った。

警察に追われるのは自分だけでいい。
親友まで巻き添えにするなんて・・・・・

そして健二はそのまま眠ってしまったのだ・・・・・


−−−−−−−−−−−−−−−

でもなんでだろう、オレはあの日から普通に生活している。警察が家に来る訳でもない。

変わったことなんて何一つなかった。武弘たちもあの日のことに触れようとしない。

そして健二には一番気になっている事がある。

それは・・・・・

「ところでどんなやつが来るんだろうな〜。」

武弘の言葉に健二は思考を中断する。
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