雨の降る夜に

「オレの家、こっちにあるから。」

松浦は健二にそう言って別れを告げた。

「うん、また今度な。」

健二は手を振って電車に乗り込んだ。


ホームルームが終わると、健二と武弘、洋平の3人で松浦に学校を見せて回った。

元々お喋り好きな3人は、松浦と仲良くなるのにそう時間はかからなかった。

松浦の方はシャイなのか、口数は少なかったが。

その後行きつけのラーメン店で腹ごしらえをすると、そのまま解散する流れになった。


それにしても松浦のやつ、どことなく翔吾に似てるな、と一人電車に揺られながら思った。

そういえばと健二は携帯を開いたが、新しいメールは届いていない。

翔吾に送ったメールの返事はまだ来ていないようだ。
「どうしたんだろ、あいつ・・・。」

満員電車の中でぼそりと呟く。

先生に問い詰めても知らないの一点張り。
翔吾のアパートへ行ってみると、空き部屋になっていた。
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