雨の降る夜に
その男は腹部から血を流していた。必死に手で傷口を押さえる男。

「おっ、お前、、、」

男は力の入らないもう片方の手を健二に向け、指を指した。

「えっ、おっ、オレ?」

人混みの視線は全て健二に向けられている。

「てめえがやったのか!」
「信じらんない!!」

そんな声が飛び交う。

「誰か警察を呼べ!!」

その声に健二は青ざめた。あの『事件』の時のことがフラッシュバックする。

「ちょっと待てよ!!」

武弘が大声を張り上げ、健二の前に飛び出た。

「こいつがやったって証拠はあるのか?ええっ?」

互いに互いを見合わす若者たち。騒めきあっている。そんな中・・・・・
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