雨の降る夜に
「お前のポケットに入っているのはなんなんだ?」

どこかからか声がした。

えっ、と思い、健二はポケットに手を入れる。

「痛つっ!!」

おもわずそう呻いて、急いでポケットから手を出す。
指先から血が出ていた。

えっ、何で?
何でナイフなんかがポケットに入ってるんだ?!

「刃物だぞ!!」

そう叫ばれた健二は、気付くと走りだしていた。

『あの時』と同じだ。またオレが犯人扱いされる・・・。
どうして?!

人混みは健二の通る道をあけていく。

「健二!!」

武弘の声は健二の耳には届かなかった。


ゲームセンターから出た健二は訳も分からず走り続けた・・・・・
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