雨の降る夜に
この誘いにまたかと健二は思ったが、帰ってもすることが無いので、一緒に行くことにした。

「よし、じゃあ行こう!!」
と、もう一人の友達佐々木洋平は言って、勢い良く電車に飛び乗った。

「おい、そっちは逆だよ!!」
と、逆方面行きの列車に乗った洋平を健二たちは二人で笑った。


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その日の夜12時、健二は都内にある長谷部総合病院の前にいた。
月は空に架かっていたが、それを覆う様にして曇り空が浮かんでいた。

辺りは漆黒の闇に包まれ、外灯は蛍のように儚い光を一生懸命に輝かせている。
ちくしょう、なんでおれなんだ、と健二は心の中で呟いていた。

やっぱ逃げようかな。いや、でも奴らも見てるだろうし、やらなきゃ空気読めないって言われるし・・・

「しょうがない、やってやるか。」

そう言って健二は見つからないよう、姿勢を低くして病院の敷地内に入っていった・・・・
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