雨の降る夜に
「おいおい、本当にやるつもりだよ、あいつ。」

武弘は敷地内に入っていく健二を見てそう言って、小さくヒューと口笛を鳴らした。

「なあなあ、おれたちは健二置いてさっさと逃げようぜ」

洋平は言ったが、

「馬鹿言うな、もしもの時のためにおれらがいるんだろうが。」

と、すぐに返されてしまった・・・


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くそっ、でもまさか洋平にまで負けるなんて・・・。

ボーリングは惜敗だった。最後に洋平にストライクを決められたのが痛かった。
でも罰ゲームがあったなんて聞いてない!!洋平の奴、自分が勝ったからって調子に乗って!!

しかも罰ゲームがこれまたひどい。

病院に忍び込んで、ある患者のカルテを盗んでくるというものだった。
そのある患者と言うのも、ナースステーションまで行かなければ教えないという。

これじゃ警察呼ばれても文句言えないよ、と思いながらも健二は病院の裏口までやって来ていた。
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