キミへの想いを10文字で。

lesson９

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２月に入ってすぐの寒い日。


「ねぇねぇ、一花ちゃんは、チョコレートあげないの？」


夕食後、こたつでテレビを見ながらスマホをいじりつつ雑誌をめくるという我ながら『どれかにしぼれ！』と言いたくなるような状態のあたしに、にこにこしながらお姉ちゃんが話しかけてくる。


「……えーーーーー？あー、もう、友チョコの代わりに希美と、ケーキバイキング行くからいいんだー」


「えー、今年、翔琉君のだけ作るってこと？？」


……いや、なんで翔琉カウントされてんの。


「翔琉も、いらないんじゃなーいー？？」


ここ最近、一気に高まるバレンタインムード。


今年のあたしは、全くもってそんな気分じゃない。


クリスマスにお姉ちゃんカップルを見かけて以降、結局翔琉の気持ちは謎のまま、表面上は今まで通りの日々が続いている。