キミへの想いを10文字で。
色んな気持ちがぐちゃぐちゃで。


やけくそな思いとか。


同情、とはまた違うし。


好き、って感情ではないし。


……だけど、今、とにかく。

目の前の黒川君が、泣いてる自分の姿と重なってしまったから、どうにかしたかったんだ。


「……いいの?」


それは、何を意味しているんだろう。

黒川君は、頭がいいと希美は言っていたけれど、どこまでお見通しなんだろう。


気がついたら、あたしは、うん、と頷いていて。


黒川君は、ありがとう、と小さな声で言って、笑った。


まるで他人事のようだけど、これはあたし自身のことなわけで。


「……木村、このあとは何かあるの?」


「あたし?バイトだよ」
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