キミへの想いを10文字で。
あれは成り行きで、本当は翔琉が好きで、なんて。

言えるわけない。

言っちゃいけない。


……翔琉に、とんでもない奴だと思われたくない。


「あいつさー、俺とお前が幼馴染みだから気を使ってんのか、ちょいちょい報告してくんの。明日、初デートなんだろ?」


…………もう。

心がずんと重くて。
口を開きたくない感じ。


ちがう、と言ったところで、あたしは翔琉に、きっと軽蔑されるだけ。



「…………っ!」


それは、余りにも突然すぎて。
予想外過ぎて。


だから言葉が出なくって。



……気がつくと、あたしは廊下の片隅で翔琉に抱き締められていた。


あたしの巻いているマフラーのすぐ向こうに、翔琉の体温を感じる。


……なにこれ。
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