キミへの想いを10文字で。
な、なんか……


「後でちゃんと、返すから」


…………はい??


なんか、ちがくない??


こういう場面ってさ、普通は奪い去るって言うか……。


「……どういうこと?」


そりゃそうですよね。


困惑しながら聞く黒川君に、心の底から同意する。


「だーーーーかぁーーーーーらぁーーー、お前らのデートを邪魔すんのは、マジで悪いと思ってる。でも、ほら。いくぞ一花」


ぐい、っと腕を引く翔琉の力はとても強くて。


「……どしたってのよ」


「結実ちゃんが、倒れた」


顔を寄せてきた翔琉にドキッとしたのも束の間。

聞こえてきた言葉を理解するのには、時間がかかって……。
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