キミへの想いを10文字で。
「違っ……た?」


やっぱり、あたしはヒロインじゃないから。


実際に″付き合う″となったら(実際なにもしていないけど)幻滅されたんだろうか。


『俺が好きなのは、翔琉と一緒にいる木村であって』


……へ?


『単体の木村じゃなかったみたい』


……えーーーーっと。


「そ、それは……男の翔琉の方が好きだっていうディープな告白ですか?」


電話の向こうで爆笑している声がする。


『違うだろーーーー!……でもまあ、とにかく、そんなわけで元々無理があったけど、解消ね』


解消。


あたしと黒川君の、曖昧な、関係。


「なんか……ごめんね、こんな話、電話で」


部屋の中に段々入ってきた柔らかい冬の日射しを身体に受けながら、申し訳無く思う。


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