キミへの想いを10文字で。
翔琉にとっては、あたしはただの幼馴染み。


そんなこと、ずっと前から知ってるよ。


……だけど、言っておきたかったんだ。黒川君があたしに気持ちを伝えてくれたみたいに。


「……ごめんね」


思わず、口をついて謝罪の言葉が飛び出す。


「……なにが?」


翔琉の声が、何だか遠くに聞こえる。

何が、って、言われちゃうと……


『翔琉の気持ちを知っているのに、好きになっちゃって』ごめんね?

『翔琉の友達の黒川君を悲しませるようなことをしちゃって』ごめんね?

『黙っておけばいいものを、告ったりして』ごめんね?


……どの、『ごめんね』なんだろう。


正確には、どの『ごめんね』の割合が高いのだろう。
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