キミへの想いを10文字で。
あまりにヘビーな単語は言霊が気になって口に出来なくて。


本当なの?としか、問えないけれど、お姉ちゃんにはなんの話か分かっているらしく、あたしに手を取られたまま、こっちをじっと見ている。


「……ごめんね」


きっと肯定の意味である、ごめんねを聞いて、あたしの中で何かが弾けた。


「ごめんねじゃないよ、なんでよ?パパやママやあたしは?彼氏さんはどうなるの?皆を悲しませるようなことしないでよ!」


両手を取り合った形のまんま、とても近い距離なのに、強い言葉が止まらなくて。


「…………」


お姉ちゃんは、黙ってあたしの言葉をじっと聞いている。


その顔は、悲しげにも、寂しげにも、何かを諦めているようにも見えて。
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