キミへの想いを10文字で。
「なんなら、お前のやつ、貸して。んで、ばーーーーっと写すわ、俺」


バカじゃないの、と言うあたしの後ろから、何やら軽快なメロディが聴こえてきて。


「あ、彼からだ。んじゃ、ごめんねー。……はーい、もしもし」


信じられないことに、お姉ちゃんがあたしと翔琉を廊下に閉め出す形で部屋のドアを閉めながら電話で話し始める。


「……明日でよくない?」


「それもそうだなー、早く寝ないとお肌荒れるし」


「OLかっつーの」


「よし、んじゃこれ託すわ。写しといて」


翔琉があたしの手にポン、と自分の現国課題集を乗せる。


「…………は?」


「数学、見せてやるから」


……取引的には、かなりいい内容な気がする……。

って、いやいや、そうじゃなくて!
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