Christmas Eve
Christmas Eve
オフィスビル、最上階の1角。

彼女は今日も残業だ。

俺は時計をみつめ、溜め息をつく。


半月前。
彼女とエレベーターに乗り合わせ、軽い会話をした。


別れ際に、傘と共に携帯の番号とメアドを書いたメモを渡した。


翌日。
彼女からメールをもらい、「昼休みに傘のお礼を」と、彼女はランチをご馳走してくれた。


あれから幾度かメールを交わし、ビル内で彼女とすれ違うたび、挨拶程度の会話は交わしているのだが……。


が、今朝は違う。

俺はいつもより、かなり早めに出勤し、運良くエレベーターで彼女と会話することができた。


「君、今日……仕事は?」

「おそらく今日も残業ね」

残念そうに、彼女は微笑む。


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