人魚姫の真実
「彼は始業式の日に来るはずだったんだが、家の都合により遅くなった。あー自己紹介をしろ」

彼は黙ったまま黒板に書き始めた。


“九条晃-クジョウアキラ-”


チョークを置き、彼は前を向いた。

その彼に私は思わず見とれていた。

「九条晃です。よろしくお願いします」

自己紹介をするとさらに女子がざわついた。

「姫ちゃん。転校生って彼なんだね」

「ん・・あ、うん」

彼に見とれていた私はしどろもどろに返事をした。

本当にかっこいいなぁ。

「いーなー彼。好きになっちゃいそう♪」

「え!?」

麻衣の言葉に少し大声を上げてしまった。

ヤバッと思った時には遅かった。

一斉にクラスのみんなが私を見る。

「黒瀬どうかしたか?」

頭に?マークを浮かべ、先生が聞いてきた。

「な・・何でもないです!!」

「そうか。じゃあ九条、黒瀬の隣の席に座れ」

私の隣に来るのか。

って、私の隣だって!?
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