人魚姫の真実
「ねぇ姫ちゃん。私マジで九条君に惚れた!!」

「はぁ!?」

昼休み、麻衣が思いがけないことを口にした。

惚れた=好き

「今日会ったばっかりだろ?どこを好きになったわけ?」

「恋に時間なんて関係ないの!!九条君は、かっこいいし、優しそうだし、頭良さそうだし・・・・」

次々と好きになった所を挙げていく麻衣。

どうしたらそんな風に言えるのかがわからない。

「もう全部好き!!」

私だったらそんな風に言えない!!!

考えるのが精一杯で、口にすることなんてできない。

「だからさ、手伝ってよ」

お願い!!と顔の前で手を合わせ、頭を下げた。

「何でウチが・・」

「姫ちゃんはすぐに男子と仲良くなれるじゃん!だから」

すぐにってねぇ・・・

「ねぇ・・ダメ?」

「・・・・・わかった」

心にもなく、私はOKしてしまった。

私の初恋はどこにいったんだ。
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