Suddenly~せめてもう一度~






…ピピピピ…ピピピピ…ピピピピ…





いつもと同じしつこいアラーム音で無理やり目を覚ます。



低血圧で寝起きが悪いのは四年前と何一つ変わっていない。



むしろ悪化したのではないかと思う。



ふわふわとした柔らかい夢を見ていたような、軽い目眩と頭痛でようやく本格的に目が覚める。




むくっと体を起こしてそっと窓を眺める。



冬の朝。窓は結露で景色など見えるはずもない。




まるでわたしの心の中のよう。



小さな水滴が大きな塊になって



下へと落ちてゆく。




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