黒色女子を個人授業
第7章 俺が彼女にできること
***第7章***



『酒井、彩香のこと頼んだわよ』

花山にお願いされーーどちらかというと脅され、俺はこんなところまで来てしまった。



俺って実は結構臆病で。

……もう知ってるとか言わないでくれ。

まぁ、だから、病気の女性の家までわざわざお見舞いに行くなんて大胆なこと、するタイプじゃないんだ。

今回は仕方なく、だよ。

天野に「どうしたの?」って聞かれたら「花山に頼まれて」って言うつもりだ。

口実までバッチリ用意して、俺は所詮小さい男だよ……


見舞いの品ーー言われるがまま、苺を買ったーーを持って、俺は花山からメールでもらった指示通りに彼女の家までの道のりを歩いた。
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