黒色女子を個人授業
私が熱を出して倒れてから、仕事に復帰して早一週間。

お互いその話題には触れることなく過ごしてきた。

……蒸し返されても、なんて答えればいいかわからないし。

一緒に一晩過ごしてしまったり(寝てたけど)

抱きかかえられてしまったり(事故だけど)


彼の肩に顔を埋めたあのときの自分がフラッシュバックする。

私を抱きかかえる力強い腕。


だめ! 思い出しちゃ!

恥ずかし過ぎて逃げ出したい!


「いや、それはいいんだけどーー」

気が動転する私をよそに、大城さんは言った。

「ほら、今日はクリスマスイヴだし。
早く帰った方がいいんじゃないの? 約束の一つくらいあるでしょ?」
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