黒色女子を個人授業
「……別に、天野だけを庇ってるわけじゃありませんから」

たまらなくなって、酒井は声を上げた。

「宮間さんのことだって、庇いますし、守りますよ」


前を歩いている宮間の肩が少しだけ震えた気がした。

彼女は歩調を緩めてゆっくりと肩越しに振り向く。

「……ありがとう」


微笑む彼女の姿は、記憶の中に居る彼女のままで、酒井は少しだけ安心した。
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