黒色女子を個人授業
「花山さん、ダメもとで、ファイルサーバーの履歴を辿ってみてくれますか。
ひょっとしたら何かみつかるかもしれない」

「わかりました」

大城さんの指示に花は再びモニターに向き合って、マウスを操作し始めた。



2時間ほど経ったか。


「だめです。何も見つかりません」

花が悲痛な声を上げた。

「ただ不審なものは見つかりました。
履歴の抜けている議事録があるんです。
ひょっとしたら、故意に削除されたのかも」


その言葉に、私たちは黙ったままうつむく。


削除されてしまったものは、もう確かめようがない。

仮に故意に履歴が消されたとするならば、それこそ証拠の残ることはしないだろう。


もしかしてこれが。

私と大城さんに対する『仕返し』……?
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