黒色女子を個人授業
第13章 あなたが私にしてくれたように
***第13章***



「お疲れさま」

土曜日の朝、一足先に集合した私たちの元へ、大城さんが白い紙袋片手に出社した。

「みんなごめんね、土曜まで出勤させて。
はい、これ、差し入れ」

そう言って紙袋を私たちが取りやすい位置に置く。


それを見た花が少し大袈裟に喜んだ。

「うわぁ、ありがとうございます!」


紙袋から中身を取り出しながら、宮間さんが意外そうに呟く。

「……大福ですか? 大城さん、なかなかチョイスが渋いですね」


それを聞いた花が私の耳元でこっそりと囁いた。

「和菓子しか食べられない子がここにいるもんねー」

私はうっと身を震わせる。


……別に、私の好みを考えて選んだわけじゃないと思うけど……


そんなことを考えていると、今井さんがフラフラとやってきて大福に手を伸ばした。

「悪いなあ、俺の好みに合わせてもらって」

「いや、今井さんの好みに合わせたわけじゃありませんから」

大城さんは相変わらず冷たく今井さんをあしらった。
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