黒色女子を個人授業
もっと思いっきり笑って欲しい。

どうすれば元気になってくれるだろうか。


私が辛かったときは、どうしてもらったんだっけなあと、過去の出来事を振り返る。


話を聞いてもらって、励ましてもらって……

そうだ、突然デパートに連れて行かれて、お財布を買ってもらって。

そのあと一緒に飲みに行って、気分転換させてもらって。


大城さんはいつも突拍子もなくて

聞いたこともない独自の理論で私を驚かせて

でもそれに救われて、今頑張れている私がいるんだ。


私もあのときの大城さんのように、励ましてあげられるだろうか。



「大城さん!」

私が大きな声で呼び止めると、彼は再び意表を突かれた顔をした。


もう、恥ずかしいとか言っていられない。

プライドなんて、どうだっていい。

大城さんの助けになれるなら、私はなんだってできるはずだ。


拳を握りしめて、この一言に勇気をふり絞った。


「遊びに行きませんか?」
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