黒色女子を個人授業
「お客さん、海っていってもいろいろありますが……」

困惑する運転手。

「ええとー、じゃあ、湘南とか?」

これも思いつきだ。

「君、本気!?」

大城さんは信じられないというように叫んだ。


「突然どうしちゃったの? 何で海?」

さすがの大城さんも突然の私の行動に目に見えて戸惑っていた。

「気分転換するなら、やはり大自然かと……
ほら、大城さん、狭い視野じゃ正しいことが分からないとか言ってたし」

「だからって本当に物理的に広い場所に行かなくても……
しかもどうして湘南?」

「海といえば、湘南かと……」


大城さんはしばらく呆然としていたが、そのうち

「あっはっはっはっは!」

大声を出して笑い始めた。


「な、なんで笑うんですか」

「なんでって、天野さんの発想が突飛過ぎて……」

大城さんはそのままお腹を抱えてしばらく笑っていた。
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