黒色女子を個人授業
遥か後ろから差し込む街灯の明かりで、大城さんの背中がうっすらと浮かび上がるけれど、彼の表情まではうかがい知れなかった。

沈黙が少し怖い。

私は目を瞑って呟いた。

「今度は私が支える番です」


こんなことを言って嫌がられないだろうか、怖くて目が開けられないけれど。

私がどうしたいと思っているのか、自分の気持ちだけは伝えたいと思った。



不意に。

彼が私の肩に手を伸ばして。


そのまま、ぎゅっと私を抱き寄せた。


「大城さん?」


「ごめん。

少しだけ、このままで」
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