黒色女子を個人授業
「もともと僕は敵が多いですからね。
今回の失敗を受けて、そういう連中がここぞとばかりに僕を引きずり降ろそうとしたわけですよ」

若くして今の地位まで成り上がり、学歴も見た目も文句なし。妬まれる要素は十分だった。

「なるほど」

今井は大城に対して厳しく当たる役職持ちのオヤジ共の顔を頭に浮かべながら頷いた。

あいつらは大城の仕事がなっていないだとか大城への教育だとか、さも自分が正しいかのように文句を言ってくるが、あれはどうみてもただの嫌がらせだ。


「せめてこのプロジェクトは今井さんが引き継げるように手配しておきます」

「おい、ちょっと待て、俺は嫌だぞ」

慌てて拒む今井だったが

「他に頼める人がいないので。
お願いします」

大城に真摯な態度を取られて、それでも跳ね除けることなんてできなかった。


「他のみんなのことも、よろしくお願いしますね」

「あー……まあなー……」

今井はめんどくさそうに頭を掻いて、渋々ながらに頷いた。


< 345 / 510 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop